IrisBooks マニュアル
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第04章

Web アプリを使う

Web アプリは IrisBooks のグラフィカルなインターフェースで、サインインすれば 使えます。税理士にとっては主たる作業面であり、タイプより画面操作を好む事業主に とっては快適な第2のレンズです。読み書きの相手はクラウド上の帳簿コピーなので、 サインインとオンライン接続が要ります。

サインイン

アカウントはメールアドレス + パスワードです。サインイン画面では次ができます。

  • メールとパスワードでログイン
  • (受付中なら)新規登録 — メールとパスワードを送信し、届いた確認コードで 認証。
  • 「パスワードをお忘れですか」からパスワード再設定 — コードを受け取り、新しい パスワードを設定。

これらの画面の右上には言語切替(「日本語」/「English」表記)があり、 ブラウザの言語判定が違っていた場合に切り替えられます。これらのフローで 届くメール(確認コード・再設定コード・招待)は、アプリの言語で届きます — この切替、初回訪問時のブラウザの言語設定、または後から「設定 → 言語」で 選んだ言語です。

税理士に帳簿へ招待された場合は、招待された正確なメールアドレスで登録(または ログイン)すれば、帳簿はすでにそこにあります。

CLI 認可ページもあります。iris api login を実行するとブラウザがここを開き、 コマンドラインツールを認可します。自分のメールと想定どおりのツールであることを 確認して承認してください。

レイアウト

上部バーが「いまどこにいるか」を示します。

  • ダッシュボード — 常に表示される唯一のタブ。アカウント全体にまたがる 画面への入口です。
  • 帳簿プレート — 現在の帳簿の名前と会計年度が、帳簿のカラードットと 並んで表示されます。帳簿名をクリックすると帳簿の切替、My Books を 開く、新しい帳簿の作成ができます。帳簿の中で年度をクリックすると 会計年度メニューが開きます — 帳簿が持つすべての年度と締め状態が並び、 選ぶとその年度の仕訳一覧へ、または年度の締め画面へ移動できます。

いま自分がいるほうは、表札のようにバーへわずかに彫り込まれて見えます。帳簿の 中ではプレートが彫り込まれ、その帳簿のカラーを帯びます。外の画面に出るとプレート は平らなまま淡く沈み、代わりにダッシュボードが彫り込まれます。帳簿名をクリック すれば、いつでも中に戻れます。

帳簿の中では、左サイドバーにその帳簿の画面が並びます。仕訳とアクティビティ、 レポートグループ(元帳 / 試算表 / 損益計算書 / 貸借対照表の4つは常に表示)、 そして管理グループ(勘定科目、元資料、ノート、年度の締め、設定)です。外に出ると サイドバーは消え、ダッシュボードと関連画面が全幅で表示されます。スマートフォン では帳簿プレートが上部バーの下に1行分として置かれ、右端に帳簿画面のメニュー ボタンが付きます。

右上のアバターからは、どこにいてもアカウントメニューが開けます。 設定(後述)、言語切替、ログアウトです。言語の項目は常にもう一方の 言語名(「日本語」/「English」)で表示されるので、読めない言語の画面に なってしまっても戻り道は読める状態で残ります。配色テーマを含め、それ以外は すべて設定ページにあります。

帳簿ごとに固有のアクセントカラーが付き、プレートとサイドバーのレールがそれを まといます。いま自分がどこにいるかが、色でいつでも分かります。純資産は ダッシュボードのカードから、My Books は帳簿プレートのメニューから開きます。 どちらにも「‹ ダッシュボード」リンクがあり、一歩戻れます。

ダッシュボード

ホーム画面です。帳簿が1冊なら、その帳簿の主要数値が並びます。収益・費用・純利益、 損益のフロー図、貸借対照表のツリーマップ、そして未完了の仕訳があればバナー。 2冊以上あると、ここに帳簿横断のビューが加わります。純資産タイル、対応待ちキュー (帳簿をまたいで注意が要るもの)、連結損益、上位変動要因です。

帳簿の通貨が揃っていない場合は、基軸通貨を設定してください (iris api config set --base-currency JPY)。連結損益に換算レートが表示され、 他の通貨ごとに、使用したレートとその記録日が並びます。各レートは編集でき、 別の値を入力すると合計がその場で再計算されます。この編集は表示にのみ反映され、 保存されません。レートを残すには iris price add --unit USD --price 155 で 記録してください(純資産で保有を評価するのと同じ価格ストアです)。

レートが未記録の通貨は入力欄が空になり、その通貨の帳簿は合計に含めず個別に 表示します。レートの記録漏れが数値を静かに変えるのではなく、目に見えるように するためです。

仕訳

仕訳は取引一覧です。ここから次ができます。

  • 絞り込み・検索 — 日付範囲、取引先、フリーテキスト、ステータス(記帳済 / 下書き / 締切済 …)、金額(等しい / 超 / 未満)。
  • 絞り込んだ一覧を CSV にエクスポート
  • 仕訳を開いて詳細を見る — 日付、取引先、ステータス、タグ、添付された元資料 (クリックで資料へ)、借方/貸方と合計を持つ明細表、説明本文。
  • 新規仕訳ボタンで作成 — 日付・取引先・明細・タグ・添付を入力して保存。
  • 既存の仕訳をその場で編集・削除。削除はソフト削除です。仕訳は 削除済みビューに移り、そこから復元できます。
  • 下書きを記帳 — 詳細ページのワンクリック記帳ボタンで、下書きを 記帳済みにできます(借方と貸方が一致すると押せるようになります)。下書きは、 記帳するまで各種レポートや残高に反映されません。まとめて記帳するには — 例えば リモートコネクタで作った下書きの束 — 一覧で チェックを入れて選択した仕訳を記帳を使います。

履歴と「締め後」の警告

仕訳詳細ページの履歴パネルには、そのファイルの完全な監査証跡が残ります。 put / delete / move の各操作と、実行者・日時・出所・理由です。締め後に再オープン された年度で変更された仕訳には、はっきり **「締め後」**バッジが付きます。 これは訂正・削除の履歴を仕訳単位で見るビューです。

日付が締め済み会計年度に入っている仕訳は「締切済」と表示され(一覧・ 締切済フィルタ・詳細ページ)、編集・削除・記帳はできません。先に年度を 再オープンする必要があります(年度の締め画面から、または iris reopen)。

仕訳一覧からの削除済みビューは、ソフト削除された仕訳を、誰がいつ削除したかと ともに一覧します。削除は消去ではなく記録されます。各行には復元アクションが あり、仕訳を仕訳一覧に戻せます。

レポート

4種類のレポート。それぞれ日付 / 基準日フィルタ、「残高ゼロの行を隠す」トグル、 CSV エクスポートを備えます。

  • 元帳 — 科目を選ぶと、その期間の完全な元帳を表示(任意で期首残高付き)。
  • 試算表 — 基準日時点の残高。借方≠貸方なら警告。
  • 損益計算書 — 期間の収益・費用を小計と純利益とともに。
  • 貸借対照表 — 基準日時点の資産・負債・資本。

レポートに載るのは記帳済みの仕訳だけです。「鮮度(freshness)」の注記が、元の 数値が最後に計算された時刻を示し、「未完了」バナーがまだ計上されていない下書きの 存在を知らせます。

勘定科目

勘定科目ページは、勘定科目表を種別(資産 / 負債 / 資本 / 収益 / 費用)ごとに 表示します。科目をクリックすると、当該会計年度(または任意の範囲)の元帳が開き、 日付フィルタ適用時は期首残高も表示されます。

元資料

元資料ブラウザは、raw/ 配下すべての2ペインビューです。ファイルを選ぶと インラインで描画されます — 画像、PDF、解析済み CSV テーブル、テキスト。 引用元パネルはその資料を参照する仕訳を表示するので、領収書から、それを計上 した仕訳へ直接ジャンプできます。この逆方向のドリルダウンは帳簿の仕訳↔証憑の 監査証跡です — 監査人はどの領収書からも、それを計上した仕訳へ(またその逆へ) たどれます。

ノート

ノートブラウザは、notes/ 配下すべての読み取り専用 Markdown ビューアです — 作業ノート、方針、todo、AI のパースキャッシュ。パースキャッシュは、元資料ブラウザ 内の出所ドキュメントへ戻るリンクを持てます。

アクティビティ

アクティビティタイムラインは、帳簿全体の監査ログです。帳簿全体のすべての ファイル操作(put / delete / move)を、実行者・パス・操作で絞り込めます。各行を 展開すると内容の差分が見られ、以前のバージョンがあれば 復元ボタンが出ます。 締め後の変更にはバッジが付きます。これは恒久履歴を帳簿単位で見るビューです。

年度の締め

年度の締め画面には、帳簿が持つすべての会計年度が並びます — 仕訳の件数、 締め状態(未締め / 締め済み / 再開中)、誰がいつ締めたか。 期間の締めを行う場所で、操作できるのは帳簿のオーナーです。

  • 年度を締める。 プレビューで、年度のアーカイブ・スナップショットに 含まれるファイルと、残っている下書きを確認できます。下書きが残っている 年度は締められません — 先に記帳・削除・日付変更で解消してください (一覧の各下書きはその仕訳へリンクします)。締めると年度はロックされ、 再オープンするまで、どの作業面からの変更も拒否されます。
  • 年度を再オープンする。 修正のためにロックを解除します。再オープン中の 変更はすべて監査証跡に「締め後」として恒久的に記録され、画面には締め後に 修正されたファイル数が表示されます。修正が終わったら再度締めてください — 履歴パネルにすべての締めと再オープンが残ります。
  • アーカイブをダウンロード(zip)。 締めた年度のスナップショット一式です。 税理士への引き渡しや監査に使えます。初回リクエスト時に作成され、準備が でき次第ダウンロードが始まります。

同じ流れは CLI からも行えます(iris api sealiris reopeniris api archive download)— 日本の税務・コンプライアンスを参照。オーナー以外の メンバーには、同じ年度一覧が読み取り専用で表示されます。

設定 — あなたの設定と帳簿の設定

設定は「何に効くか」で2つに分かれます。入口はひとつで、右上の アバターメニュー → 設定です。

あなたの設定(アバターメニュー → 設定)には、帳簿ではなくあなた自身に 属するものが集まります。どこからでも開けます — 帳簿の外にいるときも同じです。

  • 言語 — 画面を English と 日本語 で切り替え。
  • 外観 — ライト / ダーク / システムに合わせる。
  • 帳簿 — 参加しているすべての帳簿と役割の一覧。各行からその帳簿の 設定ページを開けます。
  • パーソナルアクセストークン — CLI や連携用のトークンを作成。
  • AI をつなぐ — リモートコネクタの URL とセットアップ手順。 外出先の AI から帳簿へ を参照。
  • 接続中のアプリ — リモートコネクタ経由で接続した AI アプリの一覧。 接続解除ボタンでアクセス権を取り消せます。

帳簿の設定(帳簿の中でサイドバー → 設定)には、その帳簿に属するものが 集まります。上の帳簿一覧からも1クリックで開けます。

  • 帳簿の ID と会計年度
  • 記帳承認(帳簿オーナーのみ) — オンにすると、記帳と、記帳済み仕訳の 編集・削除・下書きへの差し戻しは、この Web アプリからのみ行えます。AI アシスタントと CLI は下書きの作成・編集を続けられますが、記帳済み仕訳に 触れる操作は拒否されます(APPROVAL_REQUIRED)。すべての仕訳を自分の手で 確かめてから帳簿に載せたいときに使ってください。この設定を変えられるのは オーナーだけで、しかもこのページからだけです。CLI やトークンから外せないのは 意図的で、AI アシスタントが自分でこのゲートを開けられないようにしてあります。
  • メール取り込み — 帳簿の受信アドレス、許可する送信者リスト、隔離メールの 一覧(「送信者を許可」ショートカット付き)。 メールで書類を取り込む を参照。
  • 権限(Grants)(帳簿オーナーのみ) — 誰がどの役割でアクセスできるかを管理し、 メールで新メンバーを招待。下記参照。
  • 危険な操作(帳簿オーナーのみ) — 帳簿をクラウドから削除します。下記参照。

帳簿を削除する

帳簿のオーナーは、帳簿の設定 → 危険な操作 からクラウド上の帳簿を削除できます。 削除はあえて Web 限定の操作にしてあります。ブラウザでのサインインと、帳簿名の 正確な入力が必要です。CLI コマンド・トークン・AI アシスタントからは、どの アクセスレベルでも実行できません。

削除すると、こうなります。

  • 帳簿は全メンバーから即時に見えなくなります — Web アプリ、CLI、接続中の AI アプリのすべてで。
  • 30 日間はサーバー上に見えない状態でデータが残り、誤操作なら期間内に サポートへ連絡すれば復元できます。その後、仕訳・ファイル・訂正・削除の履歴を 含むサーバー上の全データが完全に消去されます。締め済みの会計年度がある 場合はダイアログが警告します。削除すれば締め済み期間の記録も監査証跡も 失われるので、残すべきものは先に書き出してください。
  • ローカルコピーには一切触れません。 お使いのコンピュータ上のクローンは すべてのファイルを保持します。そこで iris sync を実行すると帳簿が削除された ことが報告され、ローカルで作業を続ける方法や新しいクラウド帳簿への接続方法が 案内されます。
  • 帳簿の受信アドレス宛のメールは破棄され、発行済みのアップロードリンクは 無効になります。

共同作業と役割

帳簿オーナーは役割で他者にアクセスを付与します。

役割できること
Ownerメンバーと役割の管理を含むすべて。
Bookkeeper仕訳の作成・編集。
Reviewer読み取り専用のレビュー。

権限セクションからメールで招待し、役割の変更・取消はいつでも行えます。(オーナーは CLI からも権限を管理できます — iris api grants を参照。)

これが事業主と税理士が帳簿を共有する仕組みです。オーナーが税理士を招待(または 税理士がオーナーを招待)し、両者が同じクラウド帳簿に対して作業します — 事業主は CLI + AI で、税理士は Web アプリで、というように。

パーソナルアクセストークン(PAT)

PAT はスクリプトや CLI 用の長期間有効な認証情報で、役割(viewer / bookkeeper / full)で権限の範囲が決まります。あなたの設定(アバターメニュー → 設定)で作成すると、値が一度だけ表示されます。二度と表示されないので、その場で コピーして IRIS_API_TOKEN に設定してください。トークンは 90 日使わないと失効 します(使うたびに延び、発行から最長 1 年)。最終使用時刻と 有効期限が表示され、いつでも即座に失効できます — この設定画面のほか、CLI の iris api token list / iris api token revoke からも失効できます(フルアクセス PAT でも失効可能。作成は Web のみ)。税理士は PAT + iris api … で、 多数のクライアント帳簿にまたがる作業をスクリプト化します。

純資産

純資産は、帳簿をまたいで保有資産を評価します。現金だけでなく、外貨・暗号 資産・貴金属といった通貨以外の単位も対象です。画面には合計、前月比、トレンド ライン、最大の変動要因、構成内訳が並びます。設定タブでは、連結合計に含める 帳簿を選べます。これは監査済みの数値ではなく、ベストエフォートの「いま自分は どうか」の目安です。価格が未記録の単位は一覧されるので、何が欠けているかが 分かります。IrisBooks が価格を代わりに取ってくることはありません。為替レートも 同じです。iris price add で自分で記録してください。

税理士向け — 日々の形

多数のクライアント帳簿を扱う場合:

  • My Books はクライアント一覧です。各帳簿の下書き件数、会計年度の状態、最終 アクティビティに加え、年度の締め列がクライアントごとに前年度の締め状態 — 締め済み / 再開中 / 締め可 / 「下書き N 件」 — を表示します。年度末には この列がそのまま作業リストになり、各バッジからその帳簿の年度の締め画面へ 直接移動できます。
  • クライアント帳簿に切り替えて仕訳をレビュー・承認し、アクティビティログで スタッフの作業を確認し、レポートを実行します。
  • PAT + iris api … で帳簿横断の反復作業をスクリプト化します。
  • 年度末には年度の締め画面(または CLI)で各クライアントの会計年度を 締め、監査人向け一式をダウンロードします — 日本の税務・コンプライアンス を参照。

クライアント帳簿は完全に分離されたままです。クライアント横断の集計はなく、これが 機密保持の観点で正しい既定です。

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